ミライ姐
ロシア語を勉強すると「綴り字の規則」とか「正書法の規則」が出てくるわね。子音字к, г, х, ж, ш, щ, чの後には母音字я, ы, юを書けず,代わりにа, и, уと書くって,初心者には厄介な規則よね。
アルド
その仕組みは反切表を見るとスッキリします。まずはк, г, хについて。これらは一部の発音が欠落しているのです。
ミライ姐
日本語ではキャ・キュの発音は普通にあるけど,ロシア語では外来語以外でкя, кюの綴りも発音も存在しないのね。ちなみに日本語にはキョの発音は普通にあって,ロシア語でも存在しうるみたいだけど,現実的に文法変化でкёが出現することはほとんどないらしいわ。
アルド
日本語にはкыに相当する発音も文字もありませんが,ロシア語にもкыに相当する発音は存在しません。音声学的には発音しようと思えばできるのでしょうが,ロシア語の世界では存在しないことになっています。
ミライ姐
だから語形変化では存在する発音のка, ки, куに置き換えるのね。残りのж, ш, щ, чも一部の発音が欠落しているのかしら。
アルド
欠落というかж, ш, щ, чと,さらにはцは,硬音だけ・軟音だけを表す文字なんですね。つまりж, ш, цは硬音で,щ, чは軟音です。
塾生
硬子音字に硬母音字が,逆に軟子音字に軟母音字が接続している箇所を,それぞれマーキングすると表のようになるけど……マーキング以外の箇所には硬軟があべこべになっている組合せがあって,気になります。
アルド
その部分については発音上の注意も含めて,次回解説します。
コメント