![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
ロシア語の形容詞変化表をまとめましたので活用ください。ダウンロードはこちらから。なお,こちらは長語尾形のみの変化表です。短語尾形については別の機会に紹介します。
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
多い!
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
ロシア語には名詞に性があります。男性名詞,女性名詞,中性名詞の区別ですね。複数形では性の区別はしませんが,活用形は異なります。これらの性と数に応じて,形容詞も変化します。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
性と数で4通り……
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
さらにロシア語には格変化があります。主格,生格,与格,対格,造格,前置格の区別ですね。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
格で6通り……4×6=24通り
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
こんなに覚えるのですか?
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
しかも1パターンだけじゃないわよね。6パターン書いてあるわよ。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
確かに,ロシア語の形容詞は性・数・格で24通りに変化します。しかも語尾の種類などにより,全部で6パターンの変化がありますが,すべては基本となるひとつのパターンから容易に導けます。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
赤枠で囲まれた活用が基本パターンなのね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
まずはこの変化語尾を覚えましょう。
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
男性形と中性形は共通点が多いですね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
主格と対格以外は,男性形と中性形は同じ形になります。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
女性名詞以外では,対格は主格または生格のどちらかと一致するの?
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
そうですね。人間や動物などを表す場合は生格と同じ,植物や無生物などを表す場合は主格と同じ形になります。中性名詞の多くは無生物を表す単語なので,一部例外を除き対格は主格と一致します。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
日本語でも人間や動物は「いる」,植物や無生物は「ある」と使い分けるけど,似たようなものね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
女性形の与格と前置格は同じ形になります。なお,これらの法則は名詞についても同様です。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
これで基本となる1つのパターンを覚えて……残りのパターンはどう導くの?
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
基本パターンの上に書かれているのは,活用語尾にアクセントがある場合です。この場合は,男性主格語尾が-ыйではなく-ойに変わります。これ以外の変化語尾は基本パターンと同じです。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
同じ母音字でも,アクセントの有無で発音が変わるので注意が必要ね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
基本パターンの活用語尾はすべて硬母音ですが,下に書かれているのは活用語尾がすべて軟母音となるパターンです。ロシア語では以下のように対応しています。
硬母音 | 軟母音 |
---|---|
а | я |
ы | и |
у | ю |
е | о |
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
硬母音と軟母音が完全に対応していますね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
また,右側に書かれているパターンは,正書法の規則により母音字が変わるものです。ロシア語では7子音の後には以下の文字を書くことができず,必ず綴りが変化します。
書けない文字 | 置き換える文字 |
---|---|
я | а |
ы | и |
ю | у |
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アクセントの位置,母音の硬軟,正書法の規則に注意すれば,実質的には1パターンだけで説明できますね。
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
なるほど。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
ちなみに男性主格が-кий, -гий, -хийで終わる形容詞は,基本パターン(硬母音)に正書法の規則を適用したものです。また,男性主格が-жий, -ший, -щий, -чийで終わる形容詞は,軟母音のパターンに正書法の規則を適用したものです。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
語尾にアクセントがある場合に正書法の規則を適用した活用は,7母音とも出てくるのかしら?
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
実際にはщとчは用いられません。5子音-кой, -гой, -хой, -жой, -шойだけが使われます。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
ところで,ドイツ語の形容詞も変化パターンが多かったわよね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
ドイツ語では定冠詞類あり,不定冠詞類あり,無冠詞の場合で,形容詞の語尾の変化方法が異なります。ロシア語には冠詞が存在しないので,ロシア語の形容詞の変化パターンはアクセントの位置,母音の硬軟,正書法の規則による違いだけです。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
ロシア語に冠詞はないけど,複雑であることに変わりはないわね。
コメント