アルドさんは外国語の検定試験で最低でない級の全言語制覇を目指しているけど,次の目標は何?
タイ語ですね。
なぜですか?
ゴールデンウィークに東京に行った際,書店にタイ語検定の過去問と単語集があって,偶然買ってきたのがきっかけです。
まあ,それも縁ね。
タイ語って難しそうだなあ。
私もそう思っていたのですが,意外と面白いですね。意外なことに,タイ語は中国語由来の単語も多く存在しています。
例えば?
色々ありますが,今回は数詞を紹介しましょう。当サイトでは各言語のページに,その言語での1から10までの数え方を掲載しています。
まだ掲載していない言語もあるわよ。
この投稿に並行してタイ語の数の数え方を更新しました。この記事では中国語由来ということを検証するために,古い中国語の発音に似ているとされる広東語と比較してみましょう。
算用数字 | タイ数字 | タイ語 | タイ語ローマ字 | タイ語カナ | 漢数字 | 広東語ローマ字 | 広東語カナ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ๑ | หนึ่ง | nɯ̀ŋ | ヌン | |||
2 | ๒ | สอง | sɔ̌ɔŋ | ソーン | 双 | seung1 | スン |
3 | ๓ | สาม | sǎam | サーム | 三 | saam1 | サーム |
4 | ๔ | สี่ | sìi | スィー | 四 | sei3 | セイ |
5 | ๕ | ห้า | hâa | ハー | 五 | ng5 | ンー |
6 | ๖ | หก | hòk | ホッ | 六 | luk6 | ロッ |
7 | ๗ | เจ็ด | cèt | チェッ | 七 | chat1 | チャッ |
8 | ๘ | แปด | pɛ̀ɛt | ペーッ | 八 | baat3 | パーッ |
9 | ๙ | เก้า | kâau | カーウ | 九 | gau2 | カウ |
10 | ๑๐ | สิบ | sìp | スィッ | 十 | sap6 | サッ |
11 | ๑๑ | สิบเอ็ด | sìp èt | スィッエッ | 十一 | sap6yat1 | サッヤッ |
20 | ๒๐ | ยี่สีบ | yîi sìp | イースィッ | 二十 | yi6sap6 | イーサッ |
何となく似ているわね。
一桁の1は中国語由来ではないのですね。
一桁の1はタイ語の固有語です。しかし二桁以上の数字における一の位の1は中国語由来です。
一桁の1だけが特別なのね。
中国語の2は「両」と「二」がありました。そのどちらでもない「双」の字を使うのは意外です。
古い時代の中国語が由来なので,現代語とは異なる点もあります。ちなみに十の位が2のとき,すなわち20から29までの十の位は「二」の字に由来する中国語由来のyîiですね。
22はタイ語でどう表現するの?
ยี่สีบสอง(yîi sìp sɔ̌ɔŋ)ですね。あえて漢字で書くとすれば「二十双」に相当します。
十の位と一の位で,別の単語になるのね。慣れるまで間違えそうね。
あとは大体似ていますが「五」だけちょっと異なるような気がします。
「五」だけ漢の時代またはそれ以前の時代の発音に由来しています。他は隋・唐の時代の発音に由来します。
そんなことも分かるのね。
古代中国では詩が盛んに作られており,韻を踏むために当時の発音が辞書などに何らかの形で記載されていることが多いのですね。
日本語の漢字でも,複数の音読みを持つものがありますが,伝わった時代が異なるのですね。
そうですね。中国の文献や,周辺諸国の漢字音をもとに,古代の中国語の発音はある程度復元されています。
これだけの単語から,悠久の歴史を感じることができるのは楽しいわね。
コメント