アブギダ

前回はアブジャドについて話しました。

母音を表記しないのですね。

今回はアブギダ(abugida)と呼ばれる文字体系についてお話しましょう。

どんな文字なの？

デーヴァナーガリー文字やタイ文字などが該当します。これらの文字は単独では母音「ア」を伴って発音されます。他の母音が続く場合や，母音なしの場合は符号を付けます。

具体例はありますか？

例えばヒンディー語で「こんにちは」を意味する「ナマステ」はデーヴァナーガリー文字で以下のように書きますが，ラテン文字に翻字するとnmsteとなります。

母音記号がなければ「ア」で，他の母音や母音なしは符号……なんか複雑だなあ。

それでも，アブギダは南アジアや東南アジア（半島部）などで広く使われています。

アブギダを設計した人に，設計意図を聞いてみたいわね。

ヒトの脳は文字の読み書きができるようには作られていないと，私は思います。そのため，書く量をなるべく最小限にするという設計思想だったのではないかと。

そう考えると，今度は漢字を発明，設計した人に文句が言いたくなるわね。