
アルド
前回はアブジャドについて話しました。

塾生
母音を表記しないのですね。

アルド
今回はアブギダ(abugida)と呼ばれる文字体系についてお話しましょう。

ミライ姐
どんな文字なの?

アルド
デーヴァナーガリー文字やタイ文字などが該当します。これらの文字は単独では母音「ア」を伴って発音されます。他の母音が続く場合や,母音なしの場合は符号を付けます。

塾生
具体例はありますか?

アルド
例えばヒンディー語で「こんにちは」を意味する「ナマステ」はデーヴァナーガリー文字で以下のように書きますが,ラテン文字に翻字するとnmsteとなります。

通行人A
नमस्ते

塾生
母音記号がなければ「ア」で,他の母音や母音なしは符号……なんか複雑だなあ。

アルド
それでも,アブギダは南アジアや東南アジア(半島部)などで広く使われています。

ミライ姐
アブギダを設計した人に,設計意図を聞いてみたいわね。

アルド
ヒトの脳は文字の読み書きができるようには作られていないと,私は思います。そのため,書く量をなるべく最小限にするという設計思想だったのではないかと。

ミライ姐
そう考えると,今度は漢字を発明,設計した人に文句が言いたくなるわね。
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