塾生
先日,家族と一緒に近所のお寺の報恩講に行きました。
ミライ姐
子供をお寺の行事に連れ出すなんて,いい家族ね。
塾生
お経はきれいなメロディーなのですが,まだよく分かりません。
ミライ姐
仏教と言えばサンスクリット語かしら。
アルド
サンスクリット語は北インドで広く用いられていた言語ですが,古くから文語化していたそうです。実は,サンスクリット語は元々仏教とは関係のない言語でした。
塾生
そういえば,教本にパーリ語という言語が載っていたような。
アルド
パーリ語とはインドで使われていた民衆語であるプラークリットの一種です。お釈迦様が使っていた言語が何か,断言はできないのですが,パーリ語に近い民衆語を使っていたと考えられています。
ミライ姐
その中でもパーリ語が布教のために広く使われたのね。
塾生
布教のためには民衆が広く理解できる言葉のほうがよいのですね。
アルド
南方に伝わった上座部仏教では,パーリ語の経典が読まれます。
ミライ姐
でも,日本では仏教の言葉といえばサンスクリット語をイメージするわね。
アルド
仏教の経典がサンスクリット語に訳されたのはグプタ朝時代ですね。グプタ朝の公用語がサンスクリット語でした。主に大乗仏教の経典がサンスクリット語に翻訳されました。
ミライ姐
そのサンスクリット語経典を求めて旅をしたのが三蔵法師ね。
塾生
西遊記!
ミライ姐
猿や豚やカッパが出てくるのはフィクションよ。
アルド
そうですね。日本や中国に伝わった大乗仏教では,主にサンスクリット語から漢文に翻訳した経典が読まれるようになりました。
ミライ姐
だから仏教と聞くとサンスクリット語を思い浮かべるのね。
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