前回(角度の知識を持ってない方はこちらを先に読んでください),角度は1周360度と紹介しましたが,1度より小さな角度は2通りの表し方があります。
1つ目のパターンは,1度の60分の1が1分,1分の60分の1が1秒ね。
つまり1度は60分であり,3600秒でもあります。ちなみに度は「°」を,分は「′」を,秒は「″」を数字の右肩に付けます。
2つ目のパターンは,小数(まれに分数)を使うのね。1度の10分の1は0.1度,100分の1は0.01度ね。
日常生活では1度未満の角度を使う機会は少ないですね。
地球の外まで測ろうと思うと,秒まで必要になるわよ。
地球から見て一番明るい恒星はシリウスで,冬の名物ですね。太陽と恒星と地球のなす角は小さいながらも測定できて,シリウスの場合は約0.379秒と観測されています。度で言えば約0.0001度ですね。
1万分の1度……小さい!
地球から太陽までの平均距離は1億5千万キロメートルですが,シリウスまでの距離に比べれば極端に小さいので,円弧と弦はほぼ等しいと仮定して,冒頭の画像のように計算できます。
シリウスまでは80兆キロメートル以上もあるのね。
光が1年間に進む距離を光年といいます。光は真空中を1秒間に299792458メートル(約30万キロメートル,地球7周半に相当)進むので,地球(または太陽)からシリウスまでの距離は8.6光年になります。
光の速さで移動しても8.6年かかるのか。生きてる間に行けるかなあ。
ちなみに光の速度299792458m/sには「憎くなく女御(にょうご)は」という語呂合わせがあるわよ。女御とは『源氏物語』などにも出てくるけど,平安時代の宮中で働いていた,それなりに高い身分の女性の役職ね。
第7話ではエクセルで角度を使うときの注意点を紹介します。
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