はじめに
2024年1月19日,金曜日に皇居で歌会始があり,その時間に合わせて私の応募作をブログに発表する予定でしたが,残念ながら作業できませんでした。お詫び申し上げます。
それでは2024(令和6)年の応募作です。
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お題「和」
ロシア語のノートに並ぶ二つの語どちらもミール「世界」と「平和」
ウクライナ侵略に思う
アルドさんは2022年(令和4)の10月にロシア語検定3級を受けて,12月に合格したのよね。
2022年といえば,ロシアがウクライナに侵略した年です。
当時はロシア語を学ぶ一部の学生が不安になっていたようで,メディアでも取り上げられていたわね。アルドさんもそんな時期にロシア語を猛勉強していたけど,どんな思いでいたの?
ぶっちゃけ「くだらねぇ!」の一言ですよ。
あたしは中学生の時,地理の教科書に載っているソ連という国はもう崩壊したので,ソ連社会の仕組みは授業でスルーされた記憶があるんだけど……歴史をまだ引きずっているのかしら。
そういうことですね。ソ連を構成していた共和国はそれぞれ独立したわけですが,国や地域によってはロシア系住民が多いこともあります。今もロシア語が通じるというメリットはありますが,ロシアに対して反発感情を持つ人もいるようです。
元ソ連構成国が,アメリカや西ヨーロッパの国々と親密になるのを,今のロシアは許せないのですね。
今回の侵略も,親ロシアの地域を保護するという名目で行われたものです。仮にそうだとしても,被害状況を見れば明らかにやりすぎだと思います。
本当にそうよね。だた,今回のことでロシア語を学んでいる人が肩身の狭い思いをしたり,ロシアの一般民間人に対して不当な差別をするのは,絶対に間違っているわね。
大統領とロシア語
ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領には共通点があります。
男性!
いつの時代のボケですか?
確か,ゼレンスキー大統領もロシア語の母語話者なのよね。
そうですね。ウクライナ東部出身で,大統領になる前はコメディアンとして活躍していましたが,ロシア語で活動していたそうです。
同じ言語を話す者同士で対立するのは残念です。
もうひとつ共通点があって,それは二人の名前です。ゼレンスキー大統領のロシア語フルネームと,プーチン大統領のフルネームは以下の通りです。
Владимир Александрович Зеленский
ヴラジーミル・アリクサーンドラヴィチ・ズィリェーンスキィ
Владимир Владимирович Путин
ヴラジーミル・ヴラジーミラヴィチ・プーチン
Владимир(ヴラジーミル)が共通しているわね。これは個人名なの?
そうですね。日本語ではウラジーミルと表記することが多いです。なお,2番目の「ヴィチ」で終るものは父称(ふしょう)といって「〜の息子」を意味します。3番目が姓ですね。
同じ名前を持つ者同士で対立するのは残念です。
ちなみに,ヴラジーミルってどんな意味の名前なの?
前半のВлади(ヴラジー)は「所有する」「支配する」などの意味を持つ動詞владеть(ヴラジェーチ)に由来します。後半のмир(ミル)は「世界」「平和」を意味する名詞мир(ミール)に由来します。つまりは「世界や平和を司る者」という意味でしょうか。
応募作について
さて,今回の応募作の短歌では,ロシア語のмир(ミール)という単語に「世界」と「平和」のふたつの意味があることを詠みました。ロシア語検定3級に合格したばかりのタイミングで,まだ戦争が続いていたので,何かしら平和について詠もうとは思っていました。
お題が「和」なので「平和」という単語を連想したのですね。
ただ,宮内庁から発表された短歌を見ると,意外にも「平和」という単語を使ったのは皇后さまと入選者1名だけでしたね。
「和」の字を使った単語っていっぱいあるんだなあ。
「平和」という言葉から,ロシア語のмир(ミール)を使うという発想はアルドさんにしかできないわね。
この短歌を公表する頃には,平和な世界が戻ってほしいと思っていましたが……夢のようです。
次回予告
夢といえば,次回の歌会始のお題が「夢」なのよね。
平和な世界が夢から現実になるといいなあ。
アルドさんもまた「世界」と「平和」についての歌を詠むの?
北陸大震災について詠みます……もう完成していますので,手が回復したらすぐに書きます。
それでは次回,歌会始の応募方法を解説します。
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