こちらは2021年4月19日,月曜日に投稿した『敗北の反対語は勝南?』の改訂版です。
敗北の反対語は勝南?
以前,東西という漢字について学びました。ところで,次は北という字が気になります。
ほう。
敗北という単語があります。負けるという意味です。敗という字は「やぶれる」なので,負けるに近い意味ですが,なぜ北という字が付くのでしょうか。逆に,勝南とは言わないですよね。
北という字には「そむく」という意味があります。
「そむく」という意味があります……ではなくて,元々「そむく」という意味でした,と言うべきでは?
そうですね。北という字は2人が背中合わせに座っている様子を描いたものです。
体育座りしている人の形が……見えてきました。
「そむく」と方角の「キタ」が,類似の発音であったことから,北という字に方角の「キタ」が加わったのです。
以前学んだ仮借ですね。
一方で「そむく」の意味では新たに「背」という漢字が作られました。しかし現在でも熟語の一部では,北という字を「そむく」の意味で使っているのです。
学校でも,漢字の語源まで詳しく教えてくれたらいいのに。
勝南と名付けて
ところで……この記事を2021年に投稿した際は気づかなかったのですが,実は敗北の反対語を勝南としたネーミングが当時存在していました。
そんな力士がいたわね。
大相撲の元序ノ口力士,勝南桜(しょうなんざくら)です。もっとも,勝南桜という四股名を名乗っていたのは2021年1月場所から同年9月場所の5場所のみですが。
どんな力士だったのですか?
史上最弱力士とも言われていたわよね。
生涯成績が3勝238敗8休ですから,史上最弱と言われても仕方ないのかもしれません。連敗記録である104連敗は伝説と化しています。
勝つことがネットニュースになっていた気がするわね。負けようとすることも頻繁に話題になっていたわね。
体が小さく,技術も身につかなかったということでしょう。
ひたすら稽古が必要で,勝南桜に改名すれば済む問題ではないと思います。
元々は本名の服部(はっとり)にちなんだ服部桜(はっとりざくら)という四股名でした。出身が神奈川県茅ヶ崎市,つまり湘南(しょうなん)であるため,「湘南」と「勝つ」をかけた名前に改名したそうです。
湘南は勝ち組のイメージがあるから,いい名前だと思うわ。
ちなみに,勝南桜の四股名の下の名前は聡太(そうた)です。元々は本名の祥太(しょうた)を使っていたのですが,将棋のプロ棋士である藤井聡太にちなんで改名したそうです。なお,この時点での藤井聡太棋士の段位は八段,肩書は二冠(棋聖,王位)でした。
名前だけ見れば強くなれそうだけど残念だったわね。本人の体格や性格もあって,相撲では結果が出なかったけど,新たな仕事ではがんばってほしいわね。
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