開講の挨拶
2024(令和6)年の初講義を開始します。
投稿がんばります。
元日からお勉強がんばります。
さて,2024年初講義のテーマは『ロシア語検定3級の数詞全知識』です。
ついにロシア語検定対策を充実させるのね。
ロシア語検定3級の数詞出題範囲
まずはロシア語検定3級の数詞全知識をA4用紙1枚にまとめました。ダウンロードはこちらから。右クリックで保存してください。
ロシア語検定の出題範囲はどうなっていますか?
公式サイトによると,3級では数詞の主格が出題されます。
実際には主格と同形の対格も出題されます。それ以外の数詞の格変化は2級の範囲です。
どのような問題が出題されますか?
文法の大問IVがメインとなります。短文中に数字と名詞主格が与えられ,それを適切な形で書くことが求められます。もちろん,数詞は綴りで書かなければなりませんが,アクセント符号までは不要です。
数詞だけ覚えればいいのかしら?
ロシア語では,数詞の後に続く名詞も変化します。むしろ,名詞の正しい語形を重点的に勉強すべきでしょう。
具体的に教えてください。
数詞+名詞の基本
それでは日本語,英語,ロシア語の3言語を比較してみましょう。
日本語 | 英語 | ロシア語 |
---|---|---|
1冊の本 | one book | одна книга |
3冊の本 | three books | три книги |
5冊の本 | five books | пять книг |
日本語では数えるものにより様々な単位を使いますが,本という名詞そのものは変化しません。
英語では単数形と複数形を区別するから,1冊ならbookだけど,3冊や5冊はbooksなのね。
それで……ロシア語は3冊がкнигиで,5冊がкнигって,異なっています。英語みたいにどちらも複数形じゃないんですね。
ロシア語には格変化があります。このような原理です。
一の位が2〜4(12〜14を除く)の主格数詞+単数・生格名詞
一の位が5〜9, 0および下二桁が11〜14の主格数詞+複数・生格名詞
одна книга(1冊の本)のкнигаは単数・主格,три книги(3冊の本)のкнигиは単数・生格,пять книг(5冊の本)のкнигは複数・生格なのね。
なぜ生格になるのか,そして2〜4はなぜ単数・生格なのか……謎です。
ロシア語の生格には様々な用法がありますが,そのうちのいくつかは数量に関するものです。
生格の用法だけで論文が書けるほど複雑なのよね。
端的に言うと,数量を表現する場合,日本語では「3冊の本」と言いますが,ロシア語では「本の3」と表現するようなものです。
生格を使った表現方法の違いであることは何となくわかりましたが,2〜4がなぜ単数・生格を取るのでしょうか?
部分生格(全体の中のある一部分を表す用法)の名残りだったり,双数形(古くは双数・主格と単数・主格がたまたま同形だった)の名残りだったり,歴史的経緯が色々とあるようです。
論理的な説明は論文レベルになっちゃうのね。
検定問題対策(文法IV)
それではロシア語検定3級の文法問題対策です。文法IVで出題される数詞は基本的に1〜100ですが,たまに101〜199が出題されることもあります。
101〜199は先頭にстоを付ける以外は1〜99と同じね。
生格の作り方は複雑なので別の機会に学ぶとして,ここでは名詞の数・格を機械的に決める手順を確認しましょう。
数詞は名詞の性・数に合わせたものを綴りで書く
(男)один,(中)одно,(女)одна,(複)одни
名詞は与えられた形をそのまま書く
一の位が2(12を除く)
数詞は名詞の性に合わせたものを綴りで書く
(男・中)два,(女)две
名詞は単数・生格に変化させる
一の位が3, 4(13, 14を除く)
数詞はそのまま書く
名詞は単数・生格に変化させる
一の位が5〜9, 0および下二桁が11〜14
数詞はそのまま書く
名詞は複数・生格に変化させる
1なのに複数形の名詞って何ですか。
例えばочки(メガネ),брюки(ズボン),туфли(くつ)など2つのパーツからなるものは1個であっても複数形で表します。
英語ではa pair of glasses, two pairs of glassesなどと表現するわね。
ロシア語では複数形の数詞одниを使います。名詞のほうは複数・主格なので,与えられた語形をそのまま書けばよいですね。
見分け方はあるのですか?
複数形なので-и(ы)で終わることが多いですね。出題実績のある単語ではчасы(時計/英clock, watch)も複数扱いの名詞で,単数形のчасは時間(英hour)です。
ちなみに英語でtimeのほうの「時間」はвремяですが,この単語に数詞は付きにくいわね。
文法IVの数詞対策は以上です。生格は別の機会に学びましょう。
次回は中編として序数詞を学びます。どうぞよろしゅう。
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