はじめに
試験の5W2Hを学ぶシリーズ,第6回はHow… どのように試験を受けるのかということについて考えましょう。
前回Whoでは「自力」がキーワードでした。
様々な試験には条件がありますが,大きな制約は「制限時間がある」ことと「基本的に自力で解く」ということです。
制限時間を意識していますか?
第3回Whenではあえて言及しませんでしたが,試験には制限時間があります。
制限時間内に全部解かなければならないのね。
必ずしも「全部」解けるとは限りませんが,そのあたりは第7回のHow Muchで説明します。基本的には制限時間内に解答したものだけが採点対象です。
制限時間をオーバーしてもまだ何か書いていたら,それは不正行為になるかもしれないわね。
毎回のように言っていますが,制限時間についても多くの人は本気で理解していないのではないかと考えます。
確かに,時間が足りなくて高得点を取れなかった経験があっても,解答スピードを高める練習ってあまりしたことはないわね。
試験の制限時間については2つのパターンがあります。1つ目は短時間で様々な問題を解かせるものです。2つ目は少数の問題を時間をかけて解かせるものです。英語の大学入試で例えると,1つ目のパターンは東京大学,2つ目のパターンは京都大学が典型的です。
東大の英語問題は時間をかければもっと多くの人が点を伸ばせるかもしれないし,京大の英語問題は制限時間が短くなったらそれだけで難化してしまうのね。
制限時間と問題の分量は試験によって様々です。多くの試験において,基本的には出題傾向は決まっていることが多いので,どの問題を何分程度で解くか,あらかじめ作戦を立てることが重要です。
もちろん,その時間で解けるようにスピードを高める訓練も必要なのね。
改めて自力で受けるとは
第5回Whoでも話しましたが,試験は基本的に自力で解くものです。
今回は「基本的に」が付いているわね。試験を受けるのが「本人」であることに例外はないわよね。
試験によっては持ち込みが認められているものもあるので,その点を考慮して「基本的に自力」としています。
高校入試の数学でコンパスと定規を使うとか,簿記なら電卓は必須かしら?
そういうことですね。有名な例として慶應義塾大学文学部の英語入試では,なんと辞書の持ち込みが可能です。持ち込み以外でも,例えば名古屋大学の数学の入試問題には公式集が付いています。とはいえ慶応の英語は超長文ですし,名大の数学もその公式をそのまま使うような問題はほぼありません。
それでも知らない英単語を文脈から推理したり,複雑な数学公式をその場で導く必要がなくなるから,その点は便利ね。
また,司法試験の論文試験では専用の法文集が貸与されます。法文を暗記するのではなく,検索するスキルが重視されています。
なるほど。
持ち込み可や貸与などの例は少ないですが,基本的には自分自身の学力がベースとなります。持ち込みや貸与だからといって,必ずしも簡単にはならないのですね。
資料をどう使いこなすかも,試験の内なのね。
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