はじめに
試験の5W2Hを学ぶシリーズ,最終回となる第7回はHow Much… 何点取ればいいのかということについて考えましょう。
満点でなくても合格はできるのよね。
そもそも満点を狙うのは効率が悪いのです。
合格最低点とは
さて,みなさんが受ける可能性のある試験で,合格最低点が最も高いもののひとつは運転免許試験です。
確か100点満点中90点以上で合格よね。
運転免許試験の問題は難しくないので,ほとんどの人は合格しています。それでも数人は不合格になるようで,私が初めて運転免許を取得した際も,同じ日の受験者で不合格になった方がいらっしゃいました。
他の入学試験や資格試験もこれくらいなの?
試験にもよりますが,60%〜80%程度の得点があれば,基本的に合格圏内だと思います。大学入試であれば合格最低点が基本的に公表されているので,これを上回る学力に達すれば合格可能性があります。資格試験や検定試験でも,合格基準点は公表されています。
満点を取る必要はないのね。
逆に,合格最低点が最も低い試験には何がありますか?
おそらく高等学校卒業程度認定試験(高認)でしょう。各科目40点以上取れていれば合格の可能性が高く,50点以上取れていれば確実に合格と言われています。
世の中には半分程度できればよい試験もあるのね。
合格最低点を徹底的に利用するなら,東京大学の前期試験がおすすめです。例えば理科一類などでは440点満点中,250点以上取れればほぼ合格できると言われています。年度によっては220点でも合格できたことがあったようです。
最高峰の東大でも,5割台の得点率で合格できるとは意外ね。出題傾向を読み切れば合格も夢じゃないのね。
合格最低点の注意点
合格最低点を意識すれば,どの教科や設問で何点を狙うかという計画が作れます。
例えば東大入試であれば数学と理科で満点が狙えれば,それだけで2次試験440点満点中240点なので,英語と国語を捨てたとしても理科一類の合格最低点に届く可能性があるのですね。
そこまで極端な学力の人はいないと思いますが,国語の問題で漢字の書き取り(合計3点と推定)以外の読解問題は捨てるという作戦はよく聞きます。
総合点さえよければ合格できるの?
それは試験によります。例えば語学の検定試験では筆記やリスニングなどで,それぞれ足切りがあることが多いですね。例えばロシア語検定3級は文法100点,和訳50点,露訳50点,聴取50点,朗読50点の300点満点ですが,各科目60%が合格基準点で,1科目でも達しない場合は不合格です。
総合180点で合格することもあれば,総合297点でも不合格になることがあるのですね。
ちなみに私は文法91点,和訳30点,露訳31点,聴取35点,朗読30点の総合217点でした。翻訳や朗読はお情けで合格点ちょうどで判定されたのではないかと考えます……まあ,その情報を聞いたことがあったので利用させてもらったのですが。
そんなこともあるのね。
また,得点以外の要素で合否が判断される場合もあります。有名なのは医師国家試験の禁忌肢ですね。
禁忌肢とは何ですか?
その処方をすると患者に致命的な影響を与える選択肢ですね。このような選択肢を複数選ぶ人を合格させることはできません。禁忌肢は3問以下ないしは2問以下というのが合格基準となっています。
それは厳しいわね。でも,一般の試験ではあまり気にしなくてもよさそうね。
さいごに
これまで7回にわたり,試験で知っておくべきことを紹介しました。
基本は「初めて見る問題を,制限時間内に,自力で」解けるようになることですね。
そうですね。試験によって対策方法に多少の差はありますが,この5W2Hについてはどんな試験でも当てはまります。よく意識して,日常学習に役立てましょう。
それではみなさん,試験を利用して豊かな人生を楽しんでください!
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