40文字以上個別に覚えなければならない仮名

世の中にはアブジャド，アブギダ，アルファベットと呼ばれる文字体系があるけど，漢字は違うわね。

漢字は表意文字と呼ばれます。文字そのものが単語，もしくは単語の要素を表します。

漢字には音だけを表す文字はないのですか。

元々はありませんでした。現在ではアルファベットを使ったピンインという表記方法が一般的に使われていますが，台湾などでは注音字母というものも使われています。

日本語のひらがな・カタカナは漢字から派生したものよね。

漢字の音を借りて，日本語に当てはめたものですね。万葉集などでは漢字をそのまま使っています。平安時代以降，仮名文字による文学などが多く作られました。

日本語はひらがな・カタカナ・漢字と，覚えることが大量にあります。

外国人から見れば，日本語の発音は一般的に簡単と言われます。しかし表記は難しいですね。まずは初級文法をローマ字で学び，文字は後から慣れるほうがよいと思います。

日本では，小学校に入る前からひらがなを全部覚えさせようとする親が多いわね。

私は2歳でひらがなを全部……おそらく「ゐ」「ゑ」は含めないでしょうから46文字を全部覚えたようです。ひらがな・カタカナには形に法則性がないため，就学前に覚えるのは意外と難しいのかもしれま……就学前に丸暗記したほうがよいのかもしれません。

どういうこと？

例えばハングルで「ア」「イ」「カ」はそれぞれ아・이・가と綴ります。それではハングルで「キ」はどのように書くでしょうか？

ハングルを知らなくても，左右を比較して기と答えられるわね。

ひらがな・カタカナにはこのような法則性はありません。「ア」「イ」「カ」を覚えても，それらとは別に「キ」を覚える必要があります。

大人になってから外国語として学ぶとすれば，意外と難しそうね。

日本語は，地理的な偶然から漢字を取り入れ，漢字から仮名を作りました。生まれたときから見ている日本人にとっては自然ですが，外国人から見たら仮名は法則性のない厄介者なのかもしれません。