![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アルド
前回は理科の教科書の遺伝用語が「顕性」と「潜性」に変わったという話を,ミライ姐が説明してくれました。
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
塾生
「顕」と「潜」の字は初めて見ました。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アルド
私は物理屋なので,これらの文字にはなじみがあります。熱エネルギーを考えるときに「顕熱」と「潜熱」という用語を,設計の仕事でよく使っていました。
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
塾生
今度は熱ですか?
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アルド
顕熱とは,見えている熱量です。例えば水を加熱して温度を25℃から40℃に上げるとすると,温度上昇の様子は温度計で知ることができますね。
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
塾生
温度計の数値が上がっていくはずです。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アルド
それでは0℃の氷を自然解凍して0℃の水に変えようとすると,温度計の数値はどうなりますか?
![塾生](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/12/terako.png)
塾生
0℃のまま……変わらない?
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アルド
そうですね。温度計の数値は変わりませんが,氷を溶かすために周りから熱を奪っています。この熱は温度計の変化としては見えませんが,実際に熱エネルギーとして関与しており,これを「潜熱」と呼びます。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
ミライ姐
物理の世界では古くから「顕熱」と「潜熱」という用語が使われていたのに,遺伝学では長く「優」と「劣」の字が使われていたのね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アルド
遺伝上の「優性」は英語でdominantといい,本来は「支配的な」という意味です。一方で「劣性」はrecessiveといい,本来は「逆行の」という意味です。
![ミライ姐](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2020/05/mirai.png)
ミライ姐
「優性」「劣性」と訳すのは間違いではないのね。でも誤解しやすい用語だったのね。
![アルド](https://ardlazaward.com/wp-content/uploads/2021/09/ard.png)
アルド
用語の意味でつまずくことなく,勉強を進めてほしいですね。
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