お題｢実」とおわび行脚（歌会始2021）

コロナ禍で延期されていた令和3年の歌会始が，3月26日に開催されました。

アルドさんは令和2年2月23日，つまり令和最初の天皇誕生日に熊本城を訪れた時の光景を詠んだのね。

2016年の熊本地震の被害が，今も心に残っています。

しかも同じ年の12月に，糸魚川市は大火に見舞われたのよね。

糸魚川大火では私も消防団員として出動し，なじみの町が炎に包まれる光景を目の当たりにしました。雨が降る中，人生で初めて「もっと雨降れ」と天に祈った記憶があります。

消防団員として，災害には敏感なのね。

ちなみに，2018年の歌会始には，糸魚川大火を題材にした短歌を応募しています。

この短歌についての解説は，別の機会に。

2016年4月13日，最初の震度7は私が引き起こした……と以前書きましたが，ずっと心を痛めていました。偶然にも山口県出張を命じられ，休日を利用して熊本を訪れることができました。

そこから，歌会始につながるのね。

熊本城を見上げたときの思いを詠んで応募することは，熊本に行く前から決めていました。

強い思いね。

言葉を探している中，偶然にも「実物」という単語が浮かびました。

お題の「実」を満たすのですね。

復興工事中の天守閣を見上げると，自然に涙があふれてきました。その時の気持ちを素直に詠んだのです。

2020年7月には集中豪雨が熊本を襲ったわね。度重なる災害で大変な地域もあるけど，同じ日本の一員として，お互いに助け合っていくべきよね。