アルド
前回は3の倍数と9の倍数の判定法を学びましたが,なぜそうなるのか,簡便のため,例えば5桁の数でやってみましょう。
5桁の整数は
10000a+1000b+100c+10d+e
と表される(a, b, c, d, eは1桁の非負整数とする)
10000a+1000b+100c+10d+e
=(9999+1)a+(999+1)b+(99+1)c+(9+1)d+e
=3×3(1111a+111b+11c+d)+(a+b+c+d+e)
ここで,初項の3×3(1111a+111b+11c+d)は
3の倍数でもあり,9の倍数でもある。
よって,第2項のa+b+c+d+eが3の倍数であれば,
10000a+1000b+100c+10d+eも3の倍数である。
同様に,第2項のa+b+c+d+eが9の倍数であれば,
10000a+1000b+100c+10d+eも9の倍数である。
アルド
桁数が変わっても同様に証明できます。N桁の数字なら
10N-1×a1+10N-2×a2+…
などとして,計算してみてください。
塾生
3の倍数が判定できれば,6の倍数は「一の位が偶数で,各位の数の和が3の倍数」ということになるんですね。
アルド
同様に,12の倍数は「下2桁が4の倍数で,各位の数の和が3の倍数」として判定できます。
塾生
他の数にも,まだ判定法があるんですか?
アルド
実はですね。11の倍数は「各位の数を交互に足し引きした結果が11の倍数」で判定できます。足し引きするので0やマイナスの場合も含みます。
塾生
例えば929819なら9ー2+9ー8+1ー9=0だから,
929819÷11=84529
すごい。割り切れた。
アルド
この証明は次回にしましょう。さらに,7と11と13についても,同時に判定できる方法があるのですが,これも別の機会にしましょう。
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