ロシア語の数詞をまとめました。ダウンロードはこちらから。なお,語尾やアクセントなどが不規則な箇所は赤字で,共通語尾は青字で表記しています。ロシア語検定3級には主格の場合の「何個の何々は」という表現を書く問題が出題されます。これがかなりの難問なのです。
2から4……というかдва, две, три, четыреの後の名詞は「単数生格」にする……5以上の数詞の後の名詞は「複数生格」にする……?
ややこしいですね。複数形でなく単数形,それもなぜか生格……
どんな原理なの。
ロシア語の生格には様々な用法があり,ロシア語文法の最難関のひとつです。生格には,数に関わる用法もあります。
例えば?
数量や分量を表す単語の後を生格にしたり,存在しないものを生格にしたりします。例えばмашина(自動車)という言葉を例に,次のような表現を見てみましょう。
数・格 | 語形 | 例文 | 日本語訳 |
---|---|---|---|
単数主格 | машина | У меня есть машина. | 私は自動車を持っている。 |
単数生格 | машины | У меня нет машины. | 私は自動車を持っていない。 |
複数生格 | машин | много машин | たくさんの自動車 |
覚えるのは大変ね。このような数量に関する用法絡みで,2から4を生格にするということなの?
そういうものとして覚えるしかないのですか?
覚えるしかない……そうなのですよね。やっかいです。
これはロシア語に特有の現象なの?
同じスラブ系言語であるセルビア・クロアチア語でも,同じような規則があります。
スラブ系の言語は難しそうなイメージだなあ。
ところがチェコ語では2から4の後の名詞は,意味上の格に合わせますので,必ずしも生格とは限りません。
ちょっと,混乱するから,これ以上は言わないで!
それでは話題を変えましょう。数量や分量を表す生格に相当する表現はイタリア語でも見られます。「〜の」を表すdiと定冠詞を結合した冠詞で表します。部分冠詞と呼びます。他の冠詞と厳密な訳し分けをしてみましょう。
冠詞種類 | 例文 | 日本語訳 |
---|---|---|
不定冠詞un | Ho preso un caffè. | 私は(その場にあった何杯かの中から)1杯のコーヒーを飲んだ。 |
単数定冠詞il | Ho preso il caffè. | 私は(その場にあった唯一の)コーヒーを飲んだ。 |
部分冠詞dei | Ho preso dei caffè. | 私は(その場にあった)何杯かのコーヒーを飲んだ。 |
複数定冠詞i | Ho preso i caffè. | 私は(その場にあったすべての)コーヒーを飲んだ。 |
英語の不定冠詞a, anには単数形しかありませんが,複数形に相当する冠詞類がsomeですね。イタリア語の部分冠詞は英語のsomeのイメージになります。
数の数え方は,どの言語でも大変だなあ。
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