三角形の面積(第5話)

数学/Mathematics
アルド
アルド

前回は「3つの辺の長さ」が確定した場合の三角形の面積の式を紹介しました。

$$S=\frac{1}{4}\sqrt{ (a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c) }$$

ミライ姐
ミライ姐

この式を\(2s=a+b+c\)を使って書き換えた形は,ヘロンの公式と呼ばれているわね。

$$S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}$$

アルド
アルド

さて,「3つの辺の長さ」が確定した場合の三角形の面積は,別の表現方法もあります。前回は以下の式のルートの中身を因数分解しましたが,今回は逆に展開してみましょう。

$$S=\frac{1}{4}\sqrt{4b^{2}c^{2}-(b^{2}+c^{2}-a^{2})}$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{4b^{2}c^{2}-(b^{4}+c^{4}+a^{4}+2b^{2}c^{2}-2c^{2}a^{2}-a^{2}b^{2})}$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{4b^{2}c^{2}-2b^{2}c^{2}+2c^{2}a^{2}+2a^{2}b^{2}-b^{4}-c^{4}-a^{4} }$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{2(a^{2}b^{2}+b^{2}c^{2}+c^{2}a^{2})-(a^{4}+b^{4}+c^{4}) }$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{(a^{2}+b^{2}+c^{2})^2-(a^{4}+b^{4}+c^{4})-(a^{4}+b^{4}+c^{4}) }$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{(a^{2}+b^{2}+c^{2})^2-2(a^{4}+b^{4}+c^{4}) }$$

ミライ姐
ミライ姐

きれいな形だけど,2乗や4乗にして使い道あるの?

アルド
アルド

例えば\(a\), \(b\), \(c\)がルートを含む値の場合は,2乗すればルートがなくなるので計算しやすくなります。

ミライ姐
ミライ姐

確かに,辺の長さは必ずしも有理数とは限らないわね。

アルド
アルド

必ずしもこれらの式が多用されるわけではありませんが,導く過程で様々な公式を使うことになります。自分で式変形できるようにしておくとよいでしょう。

コメント