三角形の面積(第4話)

数学/Mathematics
アルド
アルド

今回は「3つの辺の長さ」が確定した場合の三角形の面積の求め方を紹介します。

ミライ姐
ミライ姐

式変形を学ぶための公式ね。

$$S=\frac{1}{2}bc\sin A$$

アルド
アルド

今回は3辺の長さ\(a\), \(b\), \(c\)が与えられているものとします。3辺の長さが確定すると,残りの角度は余弦定理から求めることができます。ここでは角度\(A\)を求めておきます。

$$\cos A=\frac{b^{2}+c^{2}-a^{2}}{2bc}$$

アルド
アルド

これを面積\(S\)の式に代入しましょう。

$$S=\frac{1}{2}bc\sin A$$
$$=\frac{1}{2}bc\sqrt{1-\cos ^2 A}$$
$$=\frac{1}{2}bc\sqrt{1-\left( \frac{b^{2}+c^{2}-a^{2}}{2bc}\right)^{2} }$$
$$=\frac{1}{2}\sqrt{b^{2}c^{2}-\frac{(b^{2}+c^{2}-a^{2})^2}{4}}$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{4b^{2}c^{2}-(b^{2}+c^{2}-a^{2})}$$

アルド
アルド

この式でもよいのですが,もう少し簡潔にしてみましょう。例えばルートの中身を因数分解するとこうなります。

$$S=\frac{1}{4}\sqrt{4b^{2}c^{2}-(b^{2}+c^{2}-a^{2})}$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{ (2bc+b^{2}+c^{2}-a^{2} )(2bc-b^{2}-c^{2}+a^{2} }$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{ \{(b+c)^2-a^{2} \} \{a^{2}-(b-c)^2\} }$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{ (b+c-a)(b+c+a)(a+b-c)(a-b+c) }$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{ (a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c) }$$

ミライ姐
ミライ姐

きれいな式ね。

アルド
アルド

この式を\(2s=a+b+c\)を使って書き換えた式はヘロンの公式と呼ばれています。私は一度も実務で使ったことはありませんが。

$$S=\frac{1}{4}\sqrt{ (a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c) }$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{2s(2s-2a)(2s-2b)(2s-2c)}$$
$$=\frac{1}{4}\sqrt{16s(s-a)(s-b)(s-c)}$$
$$=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}$$

塾生
塾生

この式も簡単な形ですね。

アルド
アルド

ところで「3つの辺の長さ」が確定した場合の三角形の面積の式は,これ以外にもいくつかの形があります。次回説明しましょう。

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