アルド
私にとって糸魚川は「文学の町」です。石の町や世界ジオパークの町と言われても「何それ美味しいの?」としか思えません。
ミライ姐
アルドさん,発言には気をつけましょう。
塾生
糸魚川を代表する文学者といえば相馬御風です。
アルド
そうですね。私は小学校と高校の校歌が御風作詞でした。大学では前身の旧制高校の校歌が御風作詞でした。
ミライ姐
糸魚川には御風の碑も多くあるわよね。
アルド
そうですね。今回は単伝山直指院(たんでんさん・じきしいん)というお寺にある御風の肉筆を使った石碑を紹介しましょう。新潟県を代表する僧侶,良寛の漢詩です。
一衣一鉢裁随身
強扶病身坐焼香
一夜蕭蕭幽窓雨
惹得十年逆旅情
通行人A
一衣一鉢わずかに身に随う
強いて病身を扶け坐して香を焼く
一夜蕭蕭たり幽窓の雨
惹き得たり十年逆旅の情
アルド
いちい・いちはつ・わずかに・みに・したがう
しいて・びょうしんを・たすけ・ざして・こうを・たく
いちや・しょうしょうたり・ゆうそうの・あめ
ひき・えたり・じゅうねん・げきりょの・じょう
ミライ姐
良寛さんはどんな状況だったの。
アルド
僧侶としての修行を終え,故郷(新潟県出雲崎町)への帰りに糸魚川で病にかかり,ある家に止めてもらったときに作った詩です。
ミライ姐
御風は良寛研究でも知られているわね。
アルド
御風は直指院とも関わりが深く,直指院の現在の山門は御風の祖先が建てたものです。御風も良寛研究のためによく滞在しており,この石碑の書は直指院滞在中に書かれたものです。
ミライ姐
すごいお寺ね。
アルド
直指院には他にも面白いものがあります。機会がありましたら随時紹介します。
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