アルド
「韓国人は漢字を学べ」シリーズの第13話で中教院の思ひ出を語りましたが,今回は中教院の近所である石倉町のお話をしましょう。
ミライ姐
石倉町はいたち川の河畔にある町ね。いたち川は常願寺川から分かれ,神通川に注ぐ川ね。宮本輝の小説『螢川』のモデルにもなっているのね。
アルド
石倉町の川岸には延命地蔵尊が祀られていて,地蔵堂の脇からは湧水が出ています。私は学生時代に水を汲みによく訪れました。
ミライ姐
このお地蔵様の由来は?
アルド
お地蔵様は立山にお住まいだったそうです。1858年4月9日(安政5年如月26日)に起きた飛越地震で山が崩れ,お地蔵様は麓まで流されてきたそうです。
ミライ姐
ひどい被害だったのね。富山の町も被害を受けたでしょうに。
アルド
この石倉町も泥に埋まり,多くの人が病に倒れたそうです。さて,麓で川底に沈んでいたお地蔵様は,石倉町に住んでいた晒屋甚九郎という人物の枕元に立って存在を知らせ,川から引き上げさせたと伝えられています。
塾生
甚九郎さんは篤い信仰心を持った熱い男ですね。
アルド
そうですね。熱心にお地蔵様を供養して,町の人々の病気もみるみる快方に向かったと伝えられています。
ミライ姐
そんな経緯もあり,多くの人々が病から生き延びたから延命地蔵尊と呼ばれているのね。
アルド
現在もなお,町の人々は延命地蔵尊を大切にしています。各地から湧水を汲みに来る人たちも,みんな熱心に延命地蔵尊にお参りしていますね。
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