はじめに

2025年2月は28日かけてタイ文字の記事を投稿します。

第1週はローマ字だけでタイ語の音韻構造を理解することを目的とします。

第1週の第7回はローマ字表記のまとめとして,タイ語の音節構造を確認します。
タイ語の音節構造

これまでの講義で,タイ語の発音はすべて網羅されています。

よって,タイ語の音節構造は以下の通りです。
(頭子音+母音+末子音)x声調

意外と単純な形になったわね。そういえば中国語の音節表や,ハングルの構成も似たようなものね。

ハングルに声調はありませんが,頭子音,母音,末子音の構造はタイ語,中国語,韓国語などで共通と考えてよいでしょう。

それなら頭子音は二重子音含めて31通り,母音は長短二重合わせて21通り,末子音は短母音末の重複を除いて8通り,声調が5通りだから……全部かけて26040通りの音節を区別できるのね。

実際には末子音と声調の組合せなどで両立できないものがあります。そもそも「ニワトリ」がkàyで「卵」がkhàyだったり,「近い」がklâyで「遠い」がklayだったり……計算上は26040通りの発音を区別できますが,しているとは思えないほど紛らわしい発音の単語がたくさんあります。

一生懸命練習します。
外来語をどう音訳するか

さて,タイ語の音節構造を紹介したのは,外来語の発音や表記を覚えるために必要だからです。

どういうこと?

例えばワインはタイ語でwaay(ワーイ)と言います。語源はもちろん英語のwineですが,タイ語ではイが末子音であり,英語の末尾の音であるンが消えています。

タイ語の音節構造上,ワインって発音はできないってことなの?

そうですね。末子音は1個までしか入れません。これが日本語なら「ワ・イン」のように2音節に分けて発音するのですが,タイ語は英語と同じ音節数を守る傾向があります。

ひとつの音節内に,2つの末子音は入れないのですね。

そうだとすれば,耳でワーイとだけ聞こえてきても,知識がなければワインのことだと思えないわね。

実はタイ文字ではwineのnに相当する文字を残しています。ただし,読まない文字がある単語の綴りを覚える労力が増えますが。

英単語からの借用語なら何とかなるけど……そもそも,英語でも読まない綴りがあるから,文字を覚えるのは大変なんだろうなあ。

そうなのです。タイ文字は様々な規則がある上に,読まない綴りも語源として表記に残しているのです。ですから初学者がいきなりタイ文字を学ぶのはハードルが高すぎます。

それでローマ字から学ぶのですね。ローマ字なら6回の講義でほぼ全て網羅できました。まずは発音を完璧にします。

まずはローマ字表記で発音をマスターしましょう。タイ文字はそれからです。
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