ローマ字でタイ語の声調・全5種

2025年2月は28日かけてタイ文字の記事を投稿します。

第1週はローマ字だけでタイ語の音韻構造を理解することを目的とします。

第1週の第2回はタイ語の声調を学びます。

声調って，中国語が有名よね。

日本語でも関西弁は抑揚があって声調に似た響きがありますよ。

なぜ声調があるのですか？

単語の識別です。例えば日本語で「箸を持った人が橋の端を走っている」と言った際，4つの「ハシ」という音が出てきます。

あたしは日本語のネイティブスピーカーだから，なんとなく発音を区別してるけど……でも本当になんとなくだわ。

それでは「橋を持った人が端の箸を走っている」と言ってみましょう。

発音はできるけど……違和感あるわね。

日本語は発音の数が少ないので，同じ音でもアクセントが異なる単語がたくさんあります。

中国語やタイ語も発音は少ないのかしら……って，前回の時点で母音が9個あったけど。

日本語よりは音の数は多いですが，英語よりは少ないですね。そのため，日本語ほどではありませんが，ある程度同じ音の単語が発生するため声調による区別もしているのだと考えます。

声調はメロディーとも呼ばれますが，オンチでも大丈夫でしょうか？

別にドレミの音階のようなものがあるわけではないのです。声の高さには個人差がありますので，その人が発声できる範囲で高低が判断できればよいのです。

なるほど。

それではタイ語の声調について，長母音のaaを使って練習しましょう。
まずは平らな発音(mid)です。自分が出せる範囲で，中間的な高さの声を出します。

次は低い発音(low)です。自分が出せる範囲で，最も低い声を出します。

次は下げる発音(fall)です。自分が出せる範囲の最高から最低まで一気に下げます。

次は高い発音(high)です。自分が出せる範囲で最も高い声を出しますが，やや上がります。

最後に上げる発音(rise)です。自分が出せる範囲の最低から最高まで一気に上げます。

中国語みたいに「第何声」って表現はしないの？

第1声から第5声と言いたいところですが，声調記号とリンクしません。そのため私は英語でmid, low, fall, high, riseと表現しています。

実際はmiddle, low, falling, high, risingだそうです。

それではタイ語の声調記号を表にまとめておきましょう。

一応，順番は記載するけど「第何声」とは言わないのね。

その理由はタイ文字で声調記号を表記する際に分かります。

声調記号が中国語と混同しそうです。例えばàの綴りは中国語のピンインでは下げる声調でしたが，タイ語の声調記号では低いままです。

タイ語では，記号が折れている場合は明らかな昇降があります。折れていない場合はほぼ高いまま，低いままです。そして記号の右側の高さが，声調の最後の高さと一致します。

意外と単純ね。

中国語ピンインの声調記号との比較も，表にまとめておきましょう。

すごい。