前回はハングル検定を受検した話をしましたが,会場が富山県立伏木高校でした。伏木高校には国際交流科が設置されており,第2外国語としてロシア語,中国語,韓国語のいずれか1言語を全員が選択して学習します。
伏木は高岡市の北部にある地区ね。高岡駅周辺が江戸時代からの町なのに対し,伏木は古代からの町なのよね。
大伴家持が越中守に任命されて赴任したのが伏木です。大伴家持は越中で多くの和歌を詠んでおり,富山県は奈良に次ぐ万葉集のメイン舞台です。
確かに,万葉集全二十巻朗唱の会があったり,越中万葉かるたがあったりと,富山県,特に高岡市は万葉集が大きな観光資源になっているわね。
私は学生時代に万葉集全二十巻朗唱の会に出演したことがあります。越中万葉かるた大会の見学に行ったこともあります。
不審者通報されなかったかしら?
さすがにそれはなかったです。むしろ,中学生や高校生に間違えられたくらいで。
若い頃は随分と……
国際交流とは外国や外国語を知ることだけではありません。自国のことを外国に紹介することも国際交流です。歴史ある伏木に国際系高校があるのは,すばらしいことだと思います。
伏木高校には万葉集の歌の看板もあるのですね。
もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花
もののふの・やそおとめらが・くみまごう・てらいのうえの・かたかごのはな
武士の話ですか?
もののふ(武士)とは,八十(やそ/多くの)を導く枕詞ですね。意味はこのようになります。
多くの少女たちが入り乱れて水を汲んでいる,寺井のほとりに咲いているカタクリの花は,なんと可憐なことだろう!
かたかごとは「カタクリ」のことね。
万葉集には様々な植物が詠まれていますが,カタクリを詠んだ歌としてはこの歌が唯一です。この歌にちなんで,高岡市の市の花はカタクリと定められています。
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