ロシア語の名詞(第1話)

語学/Language Study
アルド
アルド

ロシア語の名詞について学びましょう。

ミライ姐
ミライ姐

ロシア語には単数形と複数形があって,さらに6つの格があるのね。

塾生
塾生

格とは何ですか?

アルド
アルド

日本語では「が」「の」「に」「を」などを付けると意味が変わりますね。このような意味の違いを格といいます。日本語では付属語の違いで表現しますが,ロシア語では単語自体を変化させます。

ミライ姐
ミライ姐

6つの格の名称と意味は以下の通りです。

名称 主な日本語訳
主格 〜は,〜が кто что
生格 〜の кого чего
与格 〜に,〜へ кому чему
対格 〜を кого что
造格 〜を使って кем чем
前置格 (特定の前置詞を伴う) ком чём
アルド
アルド

「誰」と「何」の単数形の格変化も掲載しました。動詞や前置詞がどの格と結びつくかを表すために,辞書や教科書ではこれらの単語を使う場合があります。

塾生
塾生

前置格は前置詞を伴うのですね。

アルド
アルド

前置格は単独では使わず,必ず前置詞を伴います。しかし,主格以外のすべての格も,何らかの前置詞と結び付きます。

ミライ姐
ミライ姐

どの前置詞がどの格を伴うか,覚えなければならないのね。

アルド
アルド

前置詞と格の結びつきのことを「前置詞の格支配」と呼びます。徐々に覚えていきましょう。

ミライ姐
ミライ姐

覚えるのはいいけど,1つの名詞につき12の変化形を覚えるのよね。

アルド
アルド

基本的には語尾で識別します。しかし,一部の単語では語幹(語尾以外の部分)が変化したり,アクセント位置が移動したりします。

塾生
塾生

難しそうです。覚えきれるかなあ。

アルド
アルド

語幹の形は原則として,単数形であれば生格と同じ,複数形であれば主格と同じです。アクセントの位置は数に関わらず原則として生格と同じです。また,女性名詞の単数形対格は独自の形ですが,男性,中性,複数形の対格は,動物を表す単語では生格と同じ,動物でないものを表す単語では主格と同じになります。

ミライ姐
ミライ姐

日本語では動物を表す単語には「いる」という単語を使い,動物でないものを表す単語には「ある」と使い分けるわね。ロシア語では動物か否かで文法が変わるのね。

語幹 アクセント位置 変化語尾
単数 主格 個別に暗記 個別に暗記 個別に暗記
生格 一部個別に暗記 個別に暗記 一部個別に暗記
与格 単・生と同じ 単・生と同じ 規則的
対格 単・主または単・生と同じ 単・主または単・生と同じ 規則的
造格 単・生と同じ 単・生と同じ 規則的
前置格 単・生と同じ 単・生と同じ 一部個別に暗記
複数 主格 個別に暗記 個別に暗記 個別に暗記
生格 一部個別に暗記 個別に暗記 個別に暗記
与格 複・主と同じ 複・生と同じ 規則的
対格 複・主または複・生と同じ 複・主または複・生と同じ 規則的
造格 複・主と同じ 複・生と同じ 一部個別に暗記
複数 複・主と同じ 複・生と同じ 規則的
ミライ姐
ミライ姐

主格と生格を覚えてしまえば,例外的なものを除き,他の格は語尾に気をつければいいのね。

アルド
アルド

変化語尾については,別の機会に学びましょう。

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