単語 | 우표 |
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漢字 | 郵票 |
ローマ字表記 | u pyo |
発音カナ | ウピョ |
日本語訳 | 切手 |
人類の歴史が発展していくと,新しい概念の言葉を考える必要があります。
日本では明治維新の頃から,外国の文明用語を,主に漢字の熟語として作りました。
アジアの中でも比較的早く近代化した日本で作られた翻訳語は,多くが朝鮮半島や中国大陸に逆輸入されたのね。
例えば中華人民共和国という国名。中華は古代からある単語ですが,人民と共和国は日本で作られた熟語です。
この和製漢語満載の国名に異を唱えない中国の皆さんは,とても寛容ね。
近代翻訳和製漢語は国家的な用語だけじゃなく,日常の社会制度にも多くあります。しかし完全に日本語と同じ漢字語を使っているとは限りません。
例えば切手は元々「切符手形」という単語の略語で,江戸時代には様々な商品についての切手があったそうです。今で言う「商品券」ですね。
日本では以前からあった切符手形を,近代郵便制度にも導入したのですね。
そうですね。以来,切手という単語は広まったのです。
さて,その切手のことを韓国では郵票/우표/ウピョと呼んでいます。郵便に使う票ですね。
逆に,日本でこの熟語が開発されなかったのが惜しいくらいですね。
まあ,以前からあった切符手形が,近代にも取り入れられたことを肯定的に捉えるしかないわね。
ところで,切手のデザインは様々ですが,1円切手のおじさんは誰ですか?
良い質問ね。彼は日本の郵便制度を作った前島密(まえじま・ひそか)です。糸魚川のお隣である,新潟県上越市出身の偉人です。
郵便の父としては尊敬できる郷土の偉人と思いますが……彼は漢字廃止論者でもあります。
あらま。
私情をはさむと厄介なので止めておきますが,長らく1円切手の顔として親しまれてきたのは,新潟県の誇りですね。
そういえば,2021年4月に限定版の1円切手が販売されるそうね。デザインは日本郵便の公式キャラクター「ぽすくま」だそうよ。
なんですと!
大丈夫よ。限定版だから前島密のデザインは今後も継続よ。でも,新デザイン販売のきっかけは,新聞の投書欄で「いかめしい顔つき」と評されたことみたいね。
そこは残念ですね。前島密は,次の一万円札の顔である渋沢栄一とも交流がありました。切手や紙幣の顔になるのは,国の発展に尽くした人ばかりです。様々なデザインの需要もあるとは思いますが,「いかめしい顔つき」と評するのはいかがなものかと思います。
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