未婚のアゲマキ（韓国人は漢字を学べ・第21話）

私は自称，前世は紫式部ですが，彼女の代表作といえば源氏物語です。私は高校3年生のときに，原文を通読しました。

現代には54巻（『若菜』の上下2巻でカウント）が伝わっています。それぞれの巻に美しい名前がつけられているわね。

花宴（はなのえん），夢浮橋（ゆめのうきはし），橋姫（はしひめ）……きれいな巻名が多いです。

現代人にはピンとこない巻名もあるわね。例えば47巻目の総角（あげまき）は，なじみのない言葉よね。

アゲマキとは古代の少年の髪の結い方，あるいは調度品などに使われる紐の結び方を指します。

源氏物語の『総角』の巻は，京都の男2人と宇治の女2人による，ちょっと悲しい恋愛模様が描かれています。

千年も前に，そんな壮大な物語があったなんて，ビックリです。

それでは本題です。総角という漢字のハングル読みは총각ですが，これは未婚の男性を指す単語です。

日本語でもチョンガーという単語を使う人がいます。ちなみに未婚の女性は処女/처녀/チョーニョといいますが……日本語の処女とは異なり，性体験の有無は問わない単語です。

語尾がkだけど，これは「小さいッ」のつもりで発音するんですよね。

そうですね。日本語には語尾がkになる発音が存在しないので，代わりに「ガー」と伸ばしたのでしょう。「ガク」と発音するよりは，それらしく聞こえます。