はじめに

2025年2月は28日かけてタイ文字の記事を投稿します。

第3週はタイ文字と声調記号の基本を理解することを目的とします。

第3週の第7回はタイ文字の二重子音と疑似二重子音を学びます。
タイ文字の二重子音・全15パターン

二重子音の音の数は全部で11種類でした。
-r- | -l- | -w- | |
---|---|---|---|
p- | pr- | pl- | |
ph- | phr- | phl- | |
t- | tr- | ||
k- | kr- | kl- | kw- |
kh- | khr- | khl- | khw- |

タイ文字では高子音字と低子音字の表記を区別します。

両方の文字を持つのはph-とkh-だから,これらが高低2通りの表記になるのね。

確かにその通りでphl-, khr- khl-, khw-には高低2通りの表記があるのですが,phr-だけは低子音字のみとなります。

それなら発音は11種で,表記は15通りなのね。

それではタイ文字で二重子音を書いてみましょう。
分類 | -r- | -l- | -w- | |
---|---|---|---|---|
p- | 中子音字 | pr- ปร |
pl- ปล |
|
ph- | 高子音字 | phl- ผล |
||
低子音字 | phr- พร |
phl- พล |
||
t- | 中子音字 | tr- ตร |
||
k- | 中子音字 | kr- กร |
kl- กล |
kw- กว |
kh- | 高子音字 | khr- ขร |
khl- ยล |
khw- ขว |
低子音字 | khr- คร |
khl- คล |
khw- คว |

表記に関して,高低判断は1つ目の子音である破裂音に従いますが,前につく母音記号は1つ目の子音字の前に,上下の母音記号や声調記号は2つ目の子音字に付けます。例えばใกล้(klây/近い)とไกล(klay/遠い)では声調は中子音字のก(k)に従いますが,声調記号はล(l)の上に付いていますね。

ここで紛らわしい単語を例に出すのは意地悪です。

ご無礼(笑)

でも,表記はこの15パターンを基本に,声調記号を加えるだけよね。

二重子音の発音は難しいですが,表記はすぐに慣れます。
タイ文字の疑似二重子音

さて,タイ語の二重子音は11音,15パターンの表記に声調や声調記号が付くだけですが,一部の単語ではこれ以外の子音字2つの組合せが,間に母音記号なしで連続する場合があります。

でも二重子音にはなれないから,母音を伴わないと発音できないわよね。

2つの子音間は-a-という音を平らな声調(mid)で軽く発音します。

単純に母音記号を省略しただけですか?

母音記号だけであれば省略したと解釈してもよいかもしれませんが……実は2つ目の子音に後続する母音をどのような声調で発音するかのルールがややこしいのです。

本当に理不尽ね。

まずは「鼻」という意味のจมูกという単語を見てみましょう。

1文字目のจ(c-)には母音記載がないため,軽くca-と発音するのですね。

後ろの2文字มูกは声調を無視するとmuukで,มに「低子音字」「声調記号なし」「促音節」「長母音」の規則を当てはめるとfallなんだけど……合ってる?

実はこの単語はcamùukと発音します。2つ目の声調はlowです。

規則があるのですか?

2つ目の子音字が低子音単独字の場合は,声調判断が1つ目の子音に依存します。

つまり1つ目の子音字であるจが中子音字だから……「中子音字」「声調記号なし」「促音節」の規則を当てはめるとlowなのね。

これは複数のパターンがあるのですか?

2つ目の子音字が低子音単独字か,それ以外かで分かれます。
1つ目の子音字 | 任意 | 2つ目の子音字 | 中子音字 高子音字 低子音対応字 |
低子音単独字 | 第1音節の母音 | a | 第1音節の声調 | mid | 第2音節の母音 | 母音記号による | 第2音節の声調 | 2つ目の子音の高低 から記号等で判断 |
1つ目の子音の高低 から記号等で判断 |
---|

2択で済むのね。

たとえば「元気な」という意味のสบายは2つ目が中子音なので,そのまま2つ目のบで声調を判断すればよいのです。

บายだけなら「中子音字」「声調記号なし」「平音節」なので,1つ目のส(s)に-a-を加えて……第2音節は声調はmidになるから,全体の発音はsabaayね。

なるほど。

初級レベルでもそれなりに擬似二重子音を持つ単語はありますが,具体的な単語に多く触れれば慣れます。

そう考えると,頭子音字の高低分類は完璧に覚えなければならないのね。

発音方法の分類まで学んだ甲斐がありました。
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