アルド
外国語の名文を紹介するシリーズ,今回はフランス国王ルイ14世を象徴する言葉です。
通行人A
L’État, c’est moi.
朕は国家なり。
アルド
レタッ,セモワ。
塾生
短くて覚えやすいのはいいのですが,朕という漢字が難しいです。
アルド
チンと読みます。国王などが「私」「我」の意味で使います。
ミライ姐
現代ではなかなかお目にかからない単語ね。あるとすれば歴史小説やファンタジー小説かしら。
アルド
昭和天皇の玉音放送の冒頭で使われていますね。戦後はほとんど使われなくなりました。ただし,日本国憲法の上諭(公布を許可する言葉)に記載があるため,朕という漢字は現在でも常用漢字に入っています。
塾生
ところで,ルイ14世は何をした人ですか?
ミライ姐
官僚制強化,中央集権化を推進し,絶対王政と呼ばれる政治体制でフランス(ブルボン朝)を支配していました。
アルド
史実ではありませんが,哲学者ヴォルテールの逸話によると,高等法院に「国家と民のためにならない」と言われ,「民だけでよい。朕こそが国家だ」と言ったとされています。
ミライ姐
なので「ルイ14世の言葉」ではなく「ルイ14世を象徴する言葉」と紹介したのね。
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