私がクロアチアという国を初めて知ったのは,2002(平成14)年のこと。サッカーのワールドカップが日韓共催になった年ですね。
確か,富山市がクロアチア代表のキャンプ地になったのよね。
そうですね。当時の富山市ではクロアチアとの交流を深めるべく,様々な場所でクロアチアについての紹介パネルやパンフレットなどを目にしました。
アルドさんは,言語にしか興味がないわよね。
まあ,そうですね。当時,図書館でクロアチア語について調べていたところ,クロアチア語単独の資料はなく「セルビア・クロアチア語」という言語名でした。
今はセルビアもクロアチアも別の国だけど,昔はユーゴスラビアというひとつの国だったのよね。
ユーゴスラビアの中心地がセルビアだったようです。セルビアとクロアチアは異なる国ですが,セルビア語とクロアチア語は似た言語です。
一冊の学習書にまとめられるくらいだから,互いに通じると考えてもいいですか?
そうですね。日本語でも,東京と大阪では話し言葉が異なりますが,全く会話が成立しないケースはまれですね。ただし,セルビア語とクロアチア語は文字が異なります。
セルビア語がキリル文字で,クロアチア語がラテン文字ね。でも,一対一で対応しているのよね。
文字については対応を覚えれば問題ないと思います。ところで,クロアチアを語源とする有名な言葉に「ネクタイ」があります。
英語のネク(neck)は首,タイ(tie)は結ぶ……どこにもクロアチアが出てこないわよ。
ネクタイを例えばドイツ語ではKrawatte,イタリア語ではcravatta,フランス語ではcravateといいます。
クラヴァッテ……クラヴァッタ……クラヴァット……
クロアチア語で「クロアチア」のことを「フルヴァツカ/Hrvatska」と発音します。フランスのルイ14世の傭兵だったクロアチア人が身につけていたスカーフ状の布が,ネクタイの起源のひとつとされています。
フルヴァツカがクラヴァッタになったの?
ルイ14世が側近に布を指して「あれは何か?」と問いかけたところ,側近が勘違いして「クロアチア兵です」と答えたという説がありますが,それ以前からcravateと呼んでいたとの説もあります。
大人になったらかっこいいネクタイをしたいなあ。
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