アルド
私の祖母は1919(大正8)年に生まれ,2018(平成30)年に満98歳で天寿を全うしました。子供は5人,孫は5人おり,早逝した長男(私の父)以外は当時存命でしたが……なぜか末孫の私が喪主を務めたので,一族のヒエラルキーがおかしなことになってしまいました。
塾生
立派な長寿ですね。ご存命なら2019(令和元)年に満100歳を迎えていたことになりますね。
ミライ姐
アルドさんは「市長さんから100歳のお祝いの表彰を受けたら即旅立っていいよ」って言ってましたよ。結果として老衰だったから,アルドさんに罪はないけどね。
塾生
でも,旅立ちの準備はぬかりなかったそうですよね。
アルド
亡くなる1週間前,糸魚川市内にある祖母の実家付近の写真を撮りに行って,枕元に写真を置きました。
塾生
かわいいトンボさん。きっと,おばあさんも子供の頃にトンボさんとたわむれていただろうなあ。
アルド
亡くなる数年前で,まだ自宅にいて歩けた頃,ここに行きたいと言っていたのを思い出したのです。その記憶があったので,旅立つ前にこの写真を見てほしいと思いました。
ミライ姐
なるほどね。ちなみに,平成最後となる2019(平成31)年の歌会始に,このネタで短歌を応募したのよね。
アルド
お題「光」
亡き祖母は幼き日々に遊びけむ光る水面へはばたくトンボ
塾生
いい歌ですね。
アルド
このお話には続きがあって,祖母が満百歳になるはずだった誕生日の前日,私のいとこが女の子を出産したんです。祖母から見ればひ孫ですね。
塾生
もしかして生まれ変わりだったりして。
アルド
私も生まれ変わりだと思っています。知らない人を見ると必ず泣く赤ちゃんが,私の顔を見ても泣かないので,きっと生まれ変わりなのでしょう。成長が楽しみですね。
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