中国語と日本語の違い

私はメーカーの業務部門に勤務していますが，以前は技術部門にいました。ある日の仕事中に，近くの席の中国人技術者が翻訳で悩んでいるようなので，好奇心から聞いてみました。

そう答えたのですが，後で調べてみると応募する方の「応札」という言葉はあるようです。

辞書には集札という日本語が載ってるわ。でも，意味は切符などを回収することであり，入札とは関係ないわね。

どこかの言語にある概念が，別の言語には存在しない。面白いですね。

标 biāoという中国語は，日本語の字体では標ですが，入札に関する熟語で使われます。入札に勝つことは中国語で中标 zhòngbiāoです。「中」の字は「食中毒」や「熱中症」などに使われるように，あたるの意味があります。

入札に勝つことを日本語では「落札」と言いますね。

なんと，中国語で「落」の字を使う落标 luòbiāoは，入札に負けることを意味します。落とすという日本語には，失うの意味もあれば，決着をつけるの意味もあるのですね。

日本語では，入札に負けることを意味する漢字2文字の熟語は存在しないみたいね。例えば「失札」で検索しても出てこないね。