男性と女性の区別があるにも関わらず

前回はロシア語の数詞，具体的には「何個の何々は」の言い方を学びました。

数詞が主格でも，2から4は名詞を単数生格に，11以降は名詞を複数生格にしたわね。

あのややこしい奴ら！

アラビア語はもっと複雑です。アラビア語には男性名詞と女性名詞のみがありますが，性によって「何個の何々」の言い方が異なります。今回は格変化を含め，3から99までの数え方を見てみましょう。ダウンロードはこちらから。

1と2は？

1は単数形，2は双数形を使えばよいので，特に数を強調する場合以外は，名詞だけで表現します。

「3個以上の何々」の表現が難しいのね。

ちなみに，アラビア語の文章語（フスハー）としての数の数え方は，アラブ圏では中学校で勉強するそうです。文章語ですから，ネイティブでも間違えることがあるとか。

それほど難しいのですね。

さて，アラビア語で「何個の何々」という場合は，数詞を格変化させ，その後に名詞を一定の変化形で続けます。仕組みはこのようになります。なお，ロシア語の生格とアラビア語の属格は，日本語訳が異なりますが同じものです。なお，アラビア語ではةまたはـةで終わる単語は女性形です。

でも男性を数えるときにも，その文字が数詞に出てくるわね。

数詞にも男性形と女性形があるのですが，一の位は名詞と逆の性の形を使うのです。

中学校で習うだけあるわね。口語でも複雑な変化なの？

例えばエジプト方言には名詞の格変化はありません。しかし3〜10は名詞複数形，11〜99は名詞単数形が続きます。

口語でも複雑なのですね。

名詞に格変化がなく，数詞に性の区別がないだけマシです。

なぜこのような変化をするの？

正確な理由は分かりません。しかし，アラビア語は朗唱すると美しい言語ですから，美しく聞こえるように作られていった結果でしょう。