塾生
小学校の国語でローマ字を習いますが,街中の看板などは異なる表記です。
ミライ姐
学校で習うローマ字表記は訓令式で,固有名詞などで広く使われているのはヘボン式ね。
アルド
ヘボン式は英語の発音に基づいたものです。文法を考えるなら,訓令式のほうがわかりやすいです。
ミライ姐
でも,英語の発音風に表記することは,何の問題もないわよね?
アルド
あくまで「英語の」発音に基づいているだけで,英語以外の話者から正しく読んでもらえるかは分かりません。例えばchiと表記した場合,英語読みではチですが,ドイツ語ではヒ,フランス語ではシ,イタリア語ではキと読まれます。
ミライ姐
日本語ではtiと書いて「チ」と読みます……って,堂々と主張していいのね。
アルド
実際,ブラジルのポルトガル語ではtiと書いて「チ」と読みます。他にも,韓国では様々なローマ字化表記が使われているので,日本はまだバリエーションが少ないほうでしょう。
塾生
訓令式とヘボン式,どちらも知識として知っておかなければならないのですね。
アルド
さて,訓令式とヘボン式の違いが問題になる例として,群馬県の県名表記を紹介しましょう。
塾生
ぐんま……GUNMA……あるいはGUMMAかな?
アルド
群馬県の公式表記はGUNMAですが,パスポートの本籍地欄はGUMMAと表記されます。県は訓令式,外務省はヘボン式を採用しているのですね。
ミライ姐
名前が異なるのは厄介ね。
アルド
普通に旅行をする分には問題ないのかもしれませんが,海外で何らかの証明をする場合,パスポートはGUMMAなのに住所はGUNMAという表記の違いが問題になります。
塾生
事情を知らない外国の当局担当者が見れば,別の住所ですね。
アルド
そのため群馬県ではこちらのページで,海外の行政機関や教育機関に説明するための資料を準備しています。
ミライ姐
群馬県関係者の方は,ぜひご確認ください。
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