ミライ姐
日本語をローマ字で書くと,サ行やタ行などは統一性がないのよね。
塾生
古典日本語ではタ・ティ・トゥ・テ・トだったものが,現代ではタ・チ・ツ・テ・トに変わっているのですね。
ミライ姐
ローマ字入力の影響で,将来的にはタ・ティ・トゥ・テ・トに戻るという説もあるそうね。
アルド
20世紀後半の日本語の発音を,私が調べた範囲でなるべく正確に表現すると冒頭の表のようになります。ダウンロードが必要な方はこちらから。右クリックで保存してください。
ミライ姐
ガ行とザ行は2種類の発音があるのね。
アルド
語中のガ行は鼻濁音とするのが伝統的な発音のようです。例えば鏡はカガミではなくカンガミのようなつもりで発音するのです。
塾生
知らなかった。
アルド
私も知らなかったので大丈夫ですよ。ちなみに初めて知ったのは韓国語学習時です。韓国語では鼻濁音にしないという解説を見て,最初は何のことかと思いました。
塾生
表を見ると「ん」には6通りの発音があるのですね。
ミライ姐
前の音が何であるかで,同じ「ん」でも音声学的には異なるのね。
アルド
日本人にとってはあまり意識しませんが,外国人にとっては難関です。
ミライ姐
例えばキネン(記念)とキンエン(禁煙)が区別できない外国人がいるわね。主に英語話者かしら。
アルド
ナ行の前の「ん」はnの音で,ア行の前の「ん」は母音の鼻母音化なのですね。鼻母音がない英語話者には,禁煙という単語は発音が難しいのでしょう。
塾生
知っているつもりの日本語だけど,改めて見ると知らないことばかりだなあ。
アルド
日本人だからこそ無意識に使いこなせるのです。日本語だからと侮らず,客観的に分析することも必要ですね。
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