今日は私の国語観についてお話しましょう。漢字と仮名遣いについてです。
現代国語では,常用漢字を使い,現代仮名遣いで表記するわね。
古文では歴史的仮名遣いを使います。書籍によっては漢字が旧字体になっていることもあります。
まずは旧字体……この言葉が気に入らないのです。
どこが悪いのですか?
完全に一般の現代国語から廃止されたわけではありません。人名・地名では今でも認められています。
旧ではないとしたら,何と呼べばいいの?
私は正字体(せいじたい)と呼んでいます。一方で,常用漢字の字体のことは通字体(つうじたい)と呼んでいます。
略字とは呼ばないのね。
日常生活で無理に正字体を使う必要はなく,通字体で構わないと思います。ただ,漢字の知識を増やすためには,正字体の理解も必要だと思います。
漢字の考え方は承りました。次は仮名遣いね。
現代仮名遣いは,基本的には音と文字を一致させていますが,助詞の「は」「へ」「を」や,いわゆる四つ仮名と呼ばれる「じ」「ず」「ぢ」「づ」および長音の表記などが音基準から外れます。
歴史的仮名遣いをすべて音基準に置き換えると,違和感のある文字がそのままなのね。
古代の日本では,基本的に歴史的仮名遣いに沿った発音をしていました。しかし,どこの言語でもそうですが,発音は変わっても文字表記はなかなか変わりません。
ところで,仮名遣いについては何が不満なんだっけ?
現代仮名遣いと歴史的仮名遣い,これらの名称です。
またですか。例えば歴史的仮名遣いは「正仮名遣い」にすべきとか?
そうです。正仮名遣いと呼ぶべきだと思います。
そうすると,現代仮名遣いは「通仮名遣い」かな?
そうですね。完全な音仮名遣いにはなりませんので,通仮名遣いと呼ぶのが妥当でしょう。そもそも,来世紀には発音が変わっているかもしれません。
アルドさん独自の用語をまとめると,こうなるわね。
アルド用語 | 一般的な用語 |
---|---|
正字体 | 旧字体 |
通字体 | 常用漢字体,新字体 |
正仮名遣い | 歴史的仮名遣い,旧仮名遣い |
通仮名遣い | 現代仮名遣い,新仮名遣い |
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