私は犬が好きです?

語学/Language Study
アルド
アルド

私は高校時代,英語の実力が学年3位でした。しかし英語嫌いで他の外国語学習に熱中していました。

ミライ姐
ミライ姐

予習サボりの常習犯だったそうね。

アルド
アルド

高校卒業後,浪人生となり富山県内にある大学受験予備校に入校しました。富山県は公立高校のレベルが高く,いわゆる超進学校の出身者も多かったため,予備校では平均より下のクラスになりました。

ミライ姐
ミライ姐

高校ではお山の大将だったのにね。

アルド
アルド

予備校の英語講師は,富山県トップクラスの高校から,誰でも名前を知っている有名大学に進まれた方で,社会人経験を経て予備校講師に転身されたそうです。

ミライ姐
ミライ姐

高校ではお山の大将だったけど,アルドさんはどこまで通用したものか。

アルド
アルド

第1回の英語の授業で衝撃を受けました。黒板にこんな英文が書かれました。

I like dog.

塾生
塾生

「私は犬が好きです」ですよね。

アルド
アルド

日本語に直訳するとそうなります。しかし,この文での「犬」とは何だと思いますか?

塾生
塾生

毛むくじゃらで,脚が4本あって,ワンと吠えるもの……

アルド
アルド

と思うのでしょうが,実は違います。毛むくじゃらで,脚が4本あって,ワンと吠えるものであれば”I like dogs.”のように言わなければならないのです。

ミライ姐
ミライ姐

単数形はダメなの?

アルド
アルド

単数形と言うよりは,無冠詞で使うのが問題なのです。例えばa dogなら「どれでもいいからとりあえず1匹の犬」が好き,the dogなら「今話題に登ったあの犬だけ」が好き,the dogsなら「世の中のすべての犬」が好き,という意味になります。

ミライ姐
ミライ姐

無冠詞で複数形のdogsなら「犬一般」が好きという意味になるのね。

アルド
アルド

冠詞や複数形のsがつくと,毛むくじゃらで,脚が4本あって,ワンと吠えるものという具体的な形がイメージできるものになります。しかし,無冠詞単数形では具体的な形が決まりません。あえて日本語に訳すと「犬そのもの」でしょうか。

塾生
塾生

犬そのもの……まさか……肉?

ミライ姐
ミライ姐

毛皮かもしれないわよ。

アルド
アルド

そうです。犬そのものとは通常は肉ですね。場合によっては毛皮かもしれませんが。

塾生
塾生

つまり”I like dog.”は「私は犬の肉が好きです」という恐ろしい意味になるのですね。

アルド
アルド

英語圏の国々では犬を食べる習慣がないので,”I like dog.”と言ったら,聞いた人はパニックになるとも言われますね。

ミライ姐
ミライ姐

冠詞や単数・複数の区別は,正確な表現のために重要なのね。

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