アルド
幼い人は,右と左を区別できるようになるまで時間がかかります。
塾生
靴を左右逆に履いた経験があります。
アルド
私自身は家族で親戚宅からの帰り,父が運転する自動車で国道で左折する際に「どちらに曲がるのか」という両親の会話を聞いて,右と左の区別がつくようになりました。
ミライ姐
すごくピンポイントな記憶ね。
アルド
それでも,視力検査でとっさに右と左を口に出せないことがあります。
ミライ姐
右と左は相対的な位置関係を表す単語だから,見ている人によって異なるのよね。
塾生
少し前に「向かって右」のような表現を覚えました。ところで,京都市は東側が左京で,西側が右京です。地図で見ると左右逆に見えますが,これも「向かって右」でしょうか。
アルド
そうですね。京都の左京と右京は天皇の玉座から見た左右を指します。ちなみに京都は平安京ができる前,葛野(かどの)と呼ばれていました。覚えておきましょう。
ミライ姐
京都御所の政治を行う場である紫宸殿の前には桜と橘が植えられていて,外から向かって右が桜,左が橘だけど,建物の中から見ると向かって左が桜,右が橘ね。
アルド
左近(さこん)の桜,右近(うこん)の橘といいます。
ミライ姐
どちらも「さ」で始まっているのが「左近」の「桜」と覚えましょう。ちなみに,雛飾りにも桜と橘があって,同じように並べます。
アルド
ちなみに,漢字文化圏では偉い人は南向きに座るという伝統があります。そういえば「北」という漢字は「そむく」の意味でしたね。
ミライ姐
今ではあまり使わないかもしれませんが,偉い人に送る手紙の末尾に「硯北」と書くことがあります。硯は書道で使う「すずり」で,北は偉い人の後ろ側ですね。読み終えたら投げ捨ててくださいというような意味になります。
塾生
硯北,どこかで使おうかなあ。
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