トルコはイスラム教国ですが,世俗化していて半分ヨーロッパのイメージがあります。文字も英語と同じラテン文字ですね。
トルコ語がラテン文字化されたのは,共和国の初代大統領ケマル・アタテュルクの功績です。それまでのトルコはオスマン帝国で,1299年から1922年まで続いた長寿国でした。オスマン帝国時代のトルコ語は,アラビア文字で表記し,アラビア語的要素を多く盛り込んだ言語でした。
日本語で例えるなら,漢文で会話するようなものですね。
アラビア文字は一部を除いて子音だけを表します。このような文字体系を総称してアブジャドといいます。母音を表す記号はありますが,普通の文章では表記しません。
日本語で例えれば,漢字にふりがなを付けるようなイメージですね。
そうですね。単語や文法を理解していれば,どんな母音が来るか判断して読解できるようですが,外国語として学ぶ場合は解読ですね。
アラビア語の母音はa, i, uの3つだけよね。トルコ語の母音はいくつあるの?
8つあります。それらを全く表記しないと,とても混乱しますよね。ケマル・アタテュルクならずとも,誰かが確実にラテン文字化を企てたことと思います。
8つも母音があるのに,母音を表記しない習慣が続くとは,大変だったろうなあ。
トルコ語の8つの母音は舌の位置(前か,後ろか),唇の形(円形か,そうでないか),口の開け方(広いか,狭いか)により,以下のように分類されます。これはトルコ語学習の第一歩です。これを完璧にしないと先に進めません。
母音字 | 発音 | 舌の位置 | 唇の形 | 口の開き |
---|---|---|---|---|
a | ア | 前 | 非円 | 広 |
ı | 唇を横に引くウ | 前 | 非円 | 狭 |
o | オ | 前 | 円 | 広 |
u | 唇を突き出すウ | 前 | 円 | 狭 |
e | エ | 後 | 非円 | 広 |
i | イ | 後 | 非円 | 狭 |
ö | ドイツ語のöと同じ | 後 | 円 | 広 |
ü | ドイツ語のüと同じ | 後 | 円 | 狭 |
トルコ語にとっての外来語を除き,前舌母音と後舌母音は一単語中では共存しません。例えばトルコ語でヨーグルトはyoğurtですが,oとuはどちらも後舌母音ですね
ケバブは?
ケバブ(kebap)はアラビア語のكباب(カバーブ)が訛った外来語なので,eとaが共存しています。
前舌母音と後舌母音を簡単に覚える方法はありますか?
後舌母音は点のある文字(i, ö, ü)とeですね。
なんだ,簡単!
コメント