ミライ姐
イラクがクウェートに侵攻した後,1991(平成3)年に始まった湾岸戦争では,テレビゲームみたいなグラフィックのニュースを見せられたね。
アルド
私は当時小学生でした。東西冷戦が終結したのも知らず,何を聞き違えたのか「ワンニャン戦争って何?」と思いながらニュースを見ていました。どうやら犬も猫も関係ない……と気付いたのは中学生になってからでした。
ミライ姐
あの周辺を「湾岸地域」と呼ぶのを知ったのはいつ?
アルド
2005年にアラビア語の勉強を始めてからです。高校では世界史選択でしたが,お昼寝タイムだったので記憶にございません。
ミライ姐
ダメだこりゃ。
アルド
湾岸戦争当時は,大人の事情で日本語での現地取材が難しかったのですが,なぜかフセイン大統領の肉声がテレビの臨時ニュースで流れたことがありました。テープレコーダーが回っている背景に,アラビア語の音声と日本語字幕でしたね。
ミライ姐
それ,あたしも見た。
アルド
私はアニメを見ていたら,いきなり臨時ニュースでした。
ミライ姐
今考えても,大統領とはいえ50代のオジサンによる外国語のスピーチを,日本人が数十分も聞く意味があったのか,理解できないわね。
アルド
異国の戦争だからといって,目(と耳)をそむけるのはまずいのでしょうが,小学生にはそこまで理解できませんからね。
ミライ姐
でもこれが,アルドさんにとっての「語学への目覚め」かしら?
アルド
だとしたら,私は湾岸戦争の被害者です。
ومن يعمل مثقال ذرة شرا يره
一微塵の重さでも,悪を行った者はそれを見る
(コーラン:99章8節)
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