真夜中の12時（韓国人は漢字を学べ・第15話）

お昼の12時のことを日本語では正午，英語ではnoonといいますね。

正午の前が午前，正午の後が午後ですね。英語でも午後はafternoonです。

それでは真夜中の12時は日本語で何でしょうか。ヒントにはなりませんが，英語ではmidnightです。

うーん。いつもは寝ている時間だから分からないなあ。

午（うま）に対して子（ね）で，真夜中の12時は正子（しょうし）といいます。

午（うま）に対して子（ね）って，どういうことですか？ 十二支のことですか？

その通り。十二支は全部言えるかな？

ねー・うし・とら・うー・たつ・みー・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・いー。

よくできました。現在では年を表す以外で日常的に使われないけど，昔は方角や時刻を表すときにも十二支が使われていたのね。

例えば南東は辰（たつ）と巳（み）の間の方角なので巽（たつみ）といいます。同様に北東は艮（うしとら），南西は坤（ひつじさる），北西は乾（いぬい）となります。艮の方角は鬼門ともいわれ，鬼はウシの角に，トラ柄のパンツという格好で有名ですね。

北が子（ね）で，あとは時計回りってことですね。

そうですね。ちなみに，鬼門の反対側にあるのが「さる・とり・いぬ」です。

桃太郎！

桃太郎のお供には意味があったのね。話を時刻に戻して，今は24時間制で時刻を表すけど，昔はおよそ2時間ごとに子の刻（ねのこく），丑の刻（うしのこく）のように表現していたのよ。

テレビで丑の刻参りを見たことがあります。

丑の刻は今の午前1時から午前3時位ね。そんな深夜に藁人形とお楽しみって，嫌よね。

そうすると，午の刻（うまのこく）が現在の午前11時から午後1時位に相当するのですね。あっ！ 正午は午の刻のど真ん中です。だから子の刻のど真ん中は正子！

ところが韓国語ではなぜか逆順の「子正/자정」という組み合わせになって，発音はja jeong/チャジョンです。ちなみに正午は韓国語でも同じ順番で정오/jeong o/チョンオというけど，順番を逆にした오정/o jeong/オジョンという語もあるの。厄介なことに「午前」も発音の近い오전/o jeon/オジョンというの。

おもしろいなあ。「ねー・うし・とら・うー」だけじゃなく，漢字の書き方や音読みも覚えたいです。

準備してあるわよ。ぜひ覚えてね。